あの作家(ひと)のこの楽曲(うた)

      小田裕一郎    マーマレード・イヴニング    満たされない想い



      小田裕一郎さんは1982年のデビューから1984年にかけて石川秀美さんのメインライターを務めて
      おられました。この曲はおそらく、歌唱力の劣るそれまでの担当したアイドル歌手では満たされない
      コンポーザーとしての想い
をぶつけたようなスタンダードな楽曲です。

      特にエンディングでは、おそらく初めてのスキャット部分を盛り込んでいて
      フェードアウトされるのが勿体ないような終わり方です。
      これ自体がまるでジャズボーカルのコンサートでのアドリブのような感じさえします。

      小田裕一郎さんについて憶えていることで衝撃的だったのは活躍当時の近田春夫さんのコメント
      「小田くんも頑張ってるけど、やはりこれからの時代、作曲家はアレンジも出来なきゃ生き残っていく
      のはかなり難しくなる
とおもうよぉ〜」というもの。

      まさしくこの”予言”通りに音楽界は変わりました。ベーシスト出身のアレンジャーだった後藤次利さん等
      編曲家から転身された方々がヒットを飛ばし続けた1980年代。
      そして1990年代にはとうとう小室哲哉さんにより、作詞作曲編曲プロデュースまで一人で行う強者
      登場し、2000年代、つんくにその流れは受け継がれます。

      ご自身でも歌われていた小田裕一郎さんは勿論アレンジも出来るのですが、時代のニーズにあったもの
      では無かったのでしょう。その歌声・曲調は”野太い織田哲郎”といった感じでおおらかなイメージでした。

      今もジャズ・ブルースの分野でのアルバムを発売しご活躍です。
      が、流行歌の方ではなくなってしまわれたようです。

      個人的には、この楽曲の入ったアルバム「HALF SHADOW」のA面は曲調が筒美京平さん的な感じ
      がしていました。もしかしたら多忙で作曲が間に合わなかった京平さんの代打として小田裕一郎さんや
      後藤次利さんは曲を書かれたのではないかと密かに思っています。
      それくらいA面のコンセプトは不統一に感じられました。




      大村雅朗   スマイル・フォー・ミー         ソリッドな感じに仕上げました
      筒美京平   ジェラストレイン            常に真剣勝負です
      馬飼野康二  トワイライトドリーム          バラードを歌わせて
      
竹内まりや   けんかをやめて            ボーカリストと処女作トと処女作
      石川優子    スカイパーク              すべてのはじまりはここから
      八神純子    コントロール             私以外は歌えないわよ
      来生姉弟    恋ならば少し             貴方に歌って貰うために
      尾崎亜美    プリズムムーン           七色の魔法使いに会った日
      船山基紀    ヤングボーイ             私がヒットさせました
      竜真知子    ラブレター               キャッチーなコピーで勝負


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